<「肥満の人は心疾患になりにくい」って本当?>
一般的に、肥満は「心疾患の重大な原因の一つ」として考えられていますが、一方の考え方では「肥満は、心疾患を抑制すること」が以前から専門家の間で知られています。この様な真逆の説の「肥満の人は心疾患になりにくい」という考え方は、肥満パラドックスと呼ばれるものです。
しかし、一般の方達にはそれをよい理由に「肥満は悪い事ではないので、気にする必要がない」などの間違った考えを持つ方達が多くいらっしゃる様です。
米国オクスナーメディカルセンターのCarl J. Lavie博士が、米国心臓病医学誌Journal of the American College of Cardiology(2009, May Issue)に改めて、この肥満パラドックスの問題点を指摘しています。
「肥満パラドックス」とは、肥満そのものは心疾患の強いリスク要因なのですが、その一方では「高血圧や冠動脈の閉塞、あるいは末梢動脈障害などが発症した後では、肥満体型の患者さん達の方が痩せ型の患者さんよりも予後の経過が良好」という現象があると言う事です。
肥満パラドックスを誤解して「肥満の心疾患患者さんは、特に減量する必要が無い」と言うような誤った解釈をしている専門家も多くいらっしゃるのが現状の様です。
今回の報告は、心疾患患者25万人を対象とした40の研究データを再検討したもので「心疾患の患者さんで予後経過が良い傾向に向い方達は、体重を減らそうと努力をした効果によるもの」としています。
この肥満パラドックスに対して幾つかの問題点を指摘しています。
1)肥満の人は早期に医師の診察を受ける機会が多く、そのため早期治療している為。
2)肥満の人ほど、疾患と闘うエネルギーの蓄えが大きい。
3)肥満の人は、そもそも肥満でなければ心疾患を発症しなかったはず。
4)やせた人が心疾患に罹患するのは別の理由があるためで、重症になる可能性が高い。
即ち、心臓疾患の予後が良いのは、肥満を治そうとする事がその前提理由であって、肥満対策を全くしない等はとんでもない間違った考えであると結論づけています。
もしも、あなたが「肥満も悪くないんだよ!」等の考えをお持ちでしたら、是非ご訂正をお願い致します。
情報:Dr.ハセさん